きみへの想いを、エールにのせて
終わりだ。
結城君との楽しい時間が、これで……終わり。
いたたまれなくなってうつむくと、結城君は再びプールに戻ってしまった。
あんなに近かった彼が、一瞬にして遠くなってしまった。
「お前、名前なんて言うんだ」
「名前?」
「榎本、なんだ」
名前すら知らない人の彼女だなんて、バカみたい。
「茜」
「それじゃあこれから茜って呼ぶ。俺のことは卓って呼べ。その方が付き合ってる感じが出るだろ?」
そう言いながらニヤリと笑う彼が、憎かった。
「それじゃ、あとふたり連れて明日からくるわ」
400メートルを泳ぎ終わった結城君に卓君が声をかけると、結城君は一瞬私の顔を見つめ眉間にシワを寄せた。
「あとふたり?」
「俺のツレ。まぁ、結城みたいに速くないけど、茜の頼みじゃ断れないしな。誘ったんだ」