きみへの想いを、エールにのせて
「それと、俺達付き合うことになったから」
結城君の視線に気がついた香川君がそう言い放った時、息が止まりそうになった。
「付き合う?」
「そ。コイツ、ずっと俺のところに勧誘に来ているうちに惚れたんだと。だから付き合うことにした」
そんな……。
そんなのあんまりだ。
だけど、なにも言えない。
水泳部を続けるには、これしかない。
「チョコちゃん。ホント?」
結城君の目を見るのが怖い。でも……。
「……うん」
どうしても結城君に水泳を続けて欲しい。
リレーでインターハイに出場するという夢を、あきらめないでほしい。
「チョコちゃんってなんだよ。それに、他人の彼女になれなれしくすんな」
「ごめん。榎本さん」
結城君が『榎本さん』と口にした瞬間、全身から力が抜けた。