きみへの想いを、エールにのせて

理佐はそう言ってくれたけど……。


「でもだからって、茜が犠牲になるのは納得できない」


泉はしきりに私の心配をしてくれる。
ふたりとも素敵な友達だ。


「でも、どうして香川君、そんな条件出したんだろう。茜のこと好きだったのかな」

「それは違うと思う」


冷静に分析を始めた理佐にそう返事をすると「ますますわかんない」と頭を抱えた。


「よくわかんないけど……結城君に対していい感情を持ってないみたい。だから、結城君のことが好きな私を許せないのかも」


卓君の事情は未だわからない。

ただ、『結城結城って。バカじゃねぇの？』と悲しげにつぶやいた彼のことが引っかかっている。


「ムカつくな、香川君」


泉は怒りをあらわにするけれど……。