きみへの想いを、エールにのせて

結城君たち選手は、私たち観客より先に入場してしまった。
試合の前にアップをするからだ。


しばらくして観客も中に誘導されると、できるだけ見やすい席を求めて走った。

なんとか席を確保して、もうすでに水着に着替えて泳ぎ始めている選手たちに視線を送る。
だけど、参加人数が多く、次々と飛び込んでいくから、結城君を見つけられない。


「違った……」


結城君に似た背格好の人を見つけたけれど、泳ぎだしたら平泳ぎ。
ガッカリしながら、それでも目を皿にして眺めていると……。


「あっ」


真ん中あたりのコースで、ゆっくりフォームを確認するようにバタフライを泳いでいる結城君を、今度こそ見つけた。


競技順を見ると、彼がエントリーしていた100メートルバタフライは、今日の最後の方。

その前にリレーがあって、結城君のチームもエントリーしている。
きっとそれにも出場するはず。
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