きみへの想いを、エールにのせて

雄介君も私と同じように、悔しいと思っている。
それは結城君が努力を重ねてきたことを知っているからだ。


「榎本さん」

「はい」

「龍平、榎本さんが試合を見に来てくれることをすごく喜んでた」


そう、なの?


「アイツ、モテるし、練習を見に来る女の子はいっぱいいるけど、わざわざ遠くの会場まで来てくれる水泳ファンは、本当にありがたいって、いつも俺達に」

「ホントに?」


雄介君は大きくうなずく。


「サッカーとか野球とかに比べたら、短期間で勝負が決まってしまう地味な競技だし、練習ですごい技術を身に着けていても、競泳をやってない人にはわからないだろ?」


そう言われるとそう。
同じひとかきでも進む距離が異なるのは、手のかきの技術が左右している。
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