恋は天使の寝息のあとに
***



――俺はいらないのか? ――

昨日の恭弥の悲しげな瞳を、ひとり思い返していた。

ひょっとして私
すごく酷いことを言った?


ずっと私たちのそばにいてくれた恭弥。
子どもの面倒なんて慣れてないだろうに、一生懸命心菜と向き合ってくれた。
土日になるたびに必ずどこかへ遊びに連れていってくれて
きっと、そこらへんにいるパパよりも、ずっと良いパパをしてくれていたと思う。

本当に自分の子どもであるかのように尽くしてくれていた。
なのに。

『本当のパパじゃない』なんて――

そんなの、傷つくに決まってるじゃないか。
< 113 / 205 >

この作品をシェア

pagetop