恋は天使の寝息のあとに
「待って!」
怖い、なんて言葉では、到底表現しきれないほどの恐怖。
このままじゃあ、本当に心菜をこの世から消そうとするんじゃないだろうかと、そんな気がして、とりあえず彼を落ち着かせることが先決だと思った。
「ごめん、変なこと言って! 翔の気持ちはよく分かったから! 三人で幸せな家庭作ろう!?」
私は彼の胸にすがりつき、なだめた。
彼をぎゅっと抱きしめてやると、少しだけ落ち着いたようで、彼の肩に入っていた力がすうっと抜けていった。
それでも満足はしきれなかったらしく、険しい表情で、地を這うような声を出す。
「絶対、認めないからな」
彼の言葉が鎖となって、私の全身を絡めとる。
翔と寄りを戻そうなんて、浅はかな決断をした自分を呪った。
この先、彼の我慢が限界に達したとき、心菜に手を上げることを躊躇わないかもしれない。
それどころか、私が下手なことを言えば、心菜を傷つけられる――まるで人質を取られているみたいだ。
この人と心菜を一緒にいさせちゃいけない。
かといって、もう話し合いのできる状態ではない。
一刻も早く逃げ出したかった。
いつ爆発するか分からない時限爆弾を抱えているような気分だ。
怖い、なんて言葉では、到底表現しきれないほどの恐怖。
このままじゃあ、本当に心菜をこの世から消そうとするんじゃないだろうかと、そんな気がして、とりあえず彼を落ち着かせることが先決だと思った。
「ごめん、変なこと言って! 翔の気持ちはよく分かったから! 三人で幸せな家庭作ろう!?」
私は彼の胸にすがりつき、なだめた。
彼をぎゅっと抱きしめてやると、少しだけ落ち着いたようで、彼の肩に入っていた力がすうっと抜けていった。
それでも満足はしきれなかったらしく、険しい表情で、地を這うような声を出す。
「絶対、認めないからな」
彼の言葉が鎖となって、私の全身を絡めとる。
翔と寄りを戻そうなんて、浅はかな決断をした自分を呪った。
この先、彼の我慢が限界に達したとき、心菜に手を上げることを躊躇わないかもしれない。
それどころか、私が下手なことを言えば、心菜を傷つけられる――まるで人質を取られているみたいだ。
この人と心菜を一緒にいさせちゃいけない。
かといって、もう話し合いのできる状態ではない。
一刻も早く逃げ出したかった。
いつ爆発するか分からない時限爆弾を抱えているような気分だ。