恋は天使の寝息のあとに
唇が離れて、私はそおっと瞳を開けた。
目の前にある彼の表情は、どことなく恥ずかしそうに、こそばゆい顔をしている。
「……俺に風邪をうつすなよ」
恭弥が困ったように微笑む。
キスなんかしておいて今さら何を言っているのだろうか。
「今ので絶対うつったと思うよ」
「じゃあ、俺が倒れたら看病よろしく」
私の頭をくしゃっと撫でると、恭弥は立ち上がった。
「心菜ー! 保育園行くぞー!」
彼の言葉に心菜がにぱっとその表情を明るくする。恭弥の足にしがみついて、その大福のようにふわふわとした頬をすり寄せる。
「ちゃんと安静にしてろよ。家事なんてしなくていいからな」
指を突きつけられて念を押され、私は慌てて首を縦に振る。
恭弥が心菜へ手を差し出した。
その人差し指を、心菜の小さい手がきゅっと握り締める。
二人手を繋いで歩いていくその姿は、もうかりそめの親子じゃない。
今、この瞬間から、本物の父と娘。
「いってらっしゃい! パパ! 心菜!」
恭弥と心菜の後ろ姿に、私は大きく手を振った。
二人を追いかけて玄関まで行くと、閉まる扉の隙間から、二人が手を振り返してくれているのがわずかに見えた。
目の前にある彼の表情は、どことなく恥ずかしそうに、こそばゆい顔をしている。
「……俺に風邪をうつすなよ」
恭弥が困ったように微笑む。
キスなんかしておいて今さら何を言っているのだろうか。
「今ので絶対うつったと思うよ」
「じゃあ、俺が倒れたら看病よろしく」
私の頭をくしゃっと撫でると、恭弥は立ち上がった。
「心菜ー! 保育園行くぞー!」
彼の言葉に心菜がにぱっとその表情を明るくする。恭弥の足にしがみついて、その大福のようにふわふわとした頬をすり寄せる。
「ちゃんと安静にしてろよ。家事なんてしなくていいからな」
指を突きつけられて念を押され、私は慌てて首を縦に振る。
恭弥が心菜へ手を差し出した。
その人差し指を、心菜の小さい手がきゅっと握り締める。
二人手を繋いで歩いていくその姿は、もうかりそめの親子じゃない。
今、この瞬間から、本物の父と娘。
「いってらっしゃい! パパ! 心菜!」
恭弥と心菜の後ろ姿に、私は大きく手を振った。
二人を追いかけて玄関まで行くと、閉まる扉の隙間から、二人が手を振り返してくれているのがわずかに見えた。