恋は天使の寝息のあとに
由利亜さんはうんうんと頷きながら難しい顔をする。
「気持ち、分かるよ。あんな素敵なお兄さんがどこぞの女に奪われるなんて、私だって悔しくなっちゃう」
「や、そんなんじゃないけどさ」
笑顔で否定しながらも、内心ぎくりと震えていた。
胸の奥で燻る陰鬱な感情。これを説明できないから性質が悪い。
こんな気持ち、誰にも知られたくない。
兄を独り占めしたいだなんて、まるでブラコンみたいじゃないか。
自分に言い聞かせるように呟いた。
「『兄』に彼女がいたからって、『妹』はショックなんか受けないよ」
「でも、沙菜ちゃんにとっては本当のお兄さんじゃないんだよね」
「それはそうだけど」
「あんなに素敵な男性が、一番身近なところで優しくしてくれるんだもの。
『兄妹』以上に好きになっても不思議ではないと思うけど」
由利亜さんは含みのある言い方をして、口元をニッと綻ばせた。
ん? と私は眉をひそめる。
「好きって……ひょっとして、恋愛対象って言ってる……?」
私の言葉に、彼女はにっこりと頷く。
私が恭弥と恋愛!? まさか! ありえない。
「ない! 絶対ない!」
私は手をクロスして大きなバツマークを作った。
兄妹で恋なんてありえないよ。
そもそも恭弥のことを好きになる要素が全くもって見当たらない。
優しいのは心菜に対してだけで、私には実に冷たいのだから。
「気持ち、分かるよ。あんな素敵なお兄さんがどこぞの女に奪われるなんて、私だって悔しくなっちゃう」
「や、そんなんじゃないけどさ」
笑顔で否定しながらも、内心ぎくりと震えていた。
胸の奥で燻る陰鬱な感情。これを説明できないから性質が悪い。
こんな気持ち、誰にも知られたくない。
兄を独り占めしたいだなんて、まるでブラコンみたいじゃないか。
自分に言い聞かせるように呟いた。
「『兄』に彼女がいたからって、『妹』はショックなんか受けないよ」
「でも、沙菜ちゃんにとっては本当のお兄さんじゃないんだよね」
「それはそうだけど」
「あんなに素敵な男性が、一番身近なところで優しくしてくれるんだもの。
『兄妹』以上に好きになっても不思議ではないと思うけど」
由利亜さんは含みのある言い方をして、口元をニッと綻ばせた。
ん? と私は眉をひそめる。
「好きって……ひょっとして、恋愛対象って言ってる……?」
私の言葉に、彼女はにっこりと頷く。
私が恭弥と恋愛!? まさか! ありえない。
「ない! 絶対ない!」
私は手をクロスして大きなバツマークを作った。
兄妹で恋なんてありえないよ。
そもそも恭弥のことを好きになる要素が全くもって見当たらない。
優しいのは心菜に対してだけで、私には実に冷たいのだから。