As sweet honey. ー蜂蜜のように甘いー
次に目が覚めると、そこはリビングのソファで、直ぐ傍には、ソファにもたれかかるようにして床に座る悠太の背中が見えた。
「ん、悠太?」
「あ、気がついた?」
「私……」
「お風呂でのぼせて倒れたんだよ」
不意に下を向くと、ちゃんと服は着ててしっかりタオルケットがかけられていた。
下着もちゃんと履いてる……
「服、誰が着せたの…?」
「ええと、それは………」
「それは?」
この場には2人しか居ないんだから、わかって入るけど。
「……僕、だったかな。あ、でも安心して!タオルケットかけて見えないようにして着せたから!だから僕は何も見てないよ!」
チラリと右腰の下着の柄を見ると、いかにも悠太が好きそうな清楚な下着のチョイスだった。
まぁ、別にそれほど派手なものは持ってないけど。
でもなんとなく
「……変態」
「うっ。ごめんなさい、勝手にタンスの中漁ったり、いろいろ……」
「私の為にやってくれたことだから許す。ありがとう。それに、そんなの今更でしょ?小さい頃は一緒に入ってたくらいだし」
「それはそうだけどさ、昔と今じゃいろいろ違うし……その、幼馴染みとはいえ男と女だから、意識しちゃうし」
意識…するんだ
その言葉と悠太の態度に、急に羞恥心が襲った。
「ぁ……うぅ」
「千代…?顔真っ赤だよ」
「ゆ、悠太が、い、意識するとか言うから……急に恥ずかしくなった……」
「っ、何それ……そんな事言ったら、僕勘違いしちゃうじゃん」
「勘違い?」
「え?あー、ううん、何でもない。……僕は千代の弟みたいなものでしょ?」
「……うん」
なんだかまた頭がボーッしてきた
あんまり悠太の言葉が頭に入ってこない。
「……そんな率直に返事しなくてもいいのに……身長だって僕の方が断然高いし、力だって僕の方が強いんだよ?」
「ま、今はいいけどさ」
そうだ、悠太に言わなきゃ
「………私、お見合いするの。」
「え、お見合い?」
悠太の戸惑いの表情と声を最後に、また私は目を閉じた。