As sweet honey. ー蜂蜜のように甘いー
「圭くんありがとう!」
「じゃあ、最後は私たちからだ。千代、悠太くん、こっちへ来なさい」
二人並んで、パパとママの前に立った。
「あなた達も、もう17歳なのね……早いものね」
「悠太くんにはいつも千代がお世話になってるみたいだね」
「社長、お世話になってるのは僕の方ですよ。千代の方がしっかりしてますから」
「おっと、悠太くん。ここでは『社長』ではなく『千代の父親』だ。堅苦しいものは無しだ」
「それはそうと、はい。誕生日おめでとう、2人とも」
ママから渡された二つ折りにされた大きな1枚の紙。
緑で枠だの字だのが書かれているところ、そして堂々と書かれた漢字3文字。
明らかにおかしい。
「ごほん、私は……悠太くんになら千代を任せても_________」
「いやいや、おかしいから!なんで誕生日プレゼントに婚姻届!?」
すかさず、悠太が突っ込んだ。
「そうか、やはり来年渡すべきだったな。悠太くんが18歳になってから__________」
「そこじゃない、そこじゃない!」
「ぶふっ……千代ちゃんの両親最高……ははっ!」
お腹を抱えて笑っている圭くん。
「どっちの親も結婚ネタ突っ込んでくるとか、ありかよ」
笑いを我慢しているのか、顔がひきつっている隼人くん。
「ふっ、流石だね」
いつもと変わらず余裕な表情の拓巳くん。
「なるほど、その手があったか………」
真面目に感心する流くん。
感心するところではないと思うんだけど……
「いやいや、笑うところじゃないよ!はぁ、なんでこうも結婚話ぶっこんでくるかなぁ……僕達付き合ってもいないのにさ」
「あら、そうだったの?てっきりあの日以来、ふたりがくっついたんだと思ってたわ」
「わ、私もそう思っていたんだが……」
何か勘違いされていたみたいだ。
私達は付き合ってなんかない
幼馴染みなだけ
多分、これからも
「じゃあ、付き合う予定は〜?」
「へっ!?母さん、な、何を言って……」
「ないです!」
うん、これで大丈夫
昔からよく誤解されてたもん
小学校では特に
慣れっこっちゃあ、慣れっこっだ
「は、はは……そうだよね」
「あ、悠太フられた」
「告ってもないのにフられるとか、つらすぎだろ……ぷっ」
隼人くんと圭くんの言葉によって、トドメが刺された。
「も、もうやめて……」
「ん?」
私、何か悪いことしちゃった?
「ま、まぁ……改めてプレゼントはこれだ」
咳払いをしたパパが差し出すのは、大きな箱。
悠太にも同じ箱。
「中身は明日見なさい。あと、これだ」
渡されたのは、封筒に入ったコンサートのチケットが2枚。
「って、日にち明日じゃん!」
「本当だ……」
チケットに書かれた公演日は5月21日の午後15時から。
「明日、2人で行くといい。服はその箱だ」
「へぇ、デートってわけか。うっらやましぃ〜」
口を尖らせる圭くん。
「まぁまぁ……」
「だって悔しくない!?隼人くんだってさー……ふがっ」
「はいはい、黙ろうな」
「ふぉへのほぉうがほひふへ……!」
隼人くんに口を塞がれ、何を言っているのかわからない。
「ぷはっ、俺の方が年上なのに!」
「何言ってるのかと思ったらそんなことか。本当、圭のこと年上に思えねぇわ」