As sweet honey. ー蜂蜜のように甘いー
「さてと、そろそろケーキとご馳走を食べましょう?」
汐音さんがパチンと手を叩き、テーブルへと皆を促した。
大きなケーキの上のプレートには私と悠太の名前がチョコペンで書かれている。
沢山のろうそくに火を灯し、部屋の明かりを消すと、みんなが歌い出した。
「ハッピーバースデートゥーユ〜………」
2人でろうそくの火を消すと、ふっと笑いあった。
私の思い出がまた一つ増えた。
「もう!裕一郎さんったら、いっつもいっつも仕事仕事って、もう少し休んだらどうなのって感じよ!ひっく」
「あらあら、お酒弱いくせに一瓶まるまる一人で飲んじゃって……」
「汐音さん、聞いてるのー!?」
「はいはい、聞いてるわよ」
ベロベロに酔ったママは、汐音さんに愚痴ってる。
「裕一郎さん、最近どうです?仕事の方は」
「あぁ、順調だ」
「ですよねー。若い頃から企業を立ち上げていると、もうなんでも御手の物ってね」
「そんなことはないさ。今までの苦労があったからこそ、今がスムーズに行っているんだ」
パパと宗弥さんもまた、お酒を片手に語り合っていた。
StarRiseのメンバーと酒井さんはと言うと、なんだか楽しそうにはしゃいでいる。
皆まだ未成年でお酒は飲めないから、ジュースを飲んでいる。
酒井さんも運転があるから、今日はジュースみたいだ。
「流と圭って同じ大学なんだよな?」
「まぁーね」
確か2人は、2年制の短大に通っているんだっけ。
「アイドル活動との両立、大変じゃないか?」
「まぁな。撮影とかのスケジュールをこなしつつ、最低限大学にも行かなくちゃいけない。高校の時何とかなったことも、大学じゃそうはいかないからな」
「そうそう、課題のレポートなんて撮影合間にやるしかないからさー、本当疲れるよ」
「チャラくて高校んときはバリバリ不真面目だったクセして、今では苦労が絶えないんだな」
「うんうん……って、今さらっと悪口言わなかった?」
「いや、聞き間違えだろ」
「……そ、そう?」
訝しげな圭くん。
「悠太くんって、意気地無し?」
「え、なに急に」
「だって……もうずーっと千代ちゃんのこと____________」
「あーあー!!うるさーい!」
「おっと、ごめんね。千代ちゃんがいる場所でこの話は良くなかったかな。あ、そうだ、千代ちゃんと俺のツーショットが沢山載ってる雑誌、発売されたらプレゼントするよ」
「……いらない」
「えぇ、千代ちゃんすっごく可愛いのにー。」
「拓巳はいいから、千代だけ切り抜いたのなら欲しい……」
「そういえば撮影の時、千代ちゃんとの距離が近くてドキドキしちゃったなぁ」
「ぐっ………」
「あとちょーっと顔近づければキスしちゃいそうだったかも」
「っ……!」
「悠太くんもあのときバッチリ見てたでしょ?見てる側もドキドキするーってメイクさん言ってたなぁ」
「拓巳くんって、本当に挑発好きだよね……僕を怒らせたいの?」
「あー、ほら眉間にしわ寄せないで。せっかくの誕生日パーティーなんだから笑顔、ほらほらー」
「むむ……」
悠太のむくれた頬を無理矢理持ち上げて笑わせた。
目は笑ってないけど……