As sweet honey. ー蜂蜜のように甘いー
「千代ちゃーんっ!流くん、千代ちゃんと2人きりなんてズルイ!」
「ねぇ、2人で何の話してたの!?」
「そのうち分かる話だ。てか、悠太はもう知ってるだろ」
「ま、全く分からない……」
「仕事の話だよ」
「ええ……!?」
「さてと、この後何か予定はあったか?隼人」
「んー、特に無いな」
「え、俺は無視?ねぇ、無視なの?」
「じゃ、帰るか」
「ちょっと!?」
「はぁ、うるさいな」
「うるさいとか、酷っ」
なんて、2人の会話は続いた……会話と言っていいのか分からないけど。
なんだかんだ、やっぱり2人は仲が良いんだ。
何となく、流くんの口角が上がっている気がする。
「ふふっ」
つい、私も笑が零れた。
「千代、なんで笑ってるの?」
「ううん、なんか、微笑ましいなって」
「うん?」
帰り道、私は悠太と2人で歩いていた。
「さっき、仕事の話だって言ってたけど……」
「あー、うん」
悠太には話していいよね
関係することだし
「あのね、来月のドラマの話をしてたの」
「ドラマ……ああ!恋愛ドラマのだよね?僕と流くん主演の」
「そう、それ。それで、私が相手役の女の子をやらないかって言われてて」
「うぇ!?ち、千代が……!?」
「うん。もう答えは出てる。まだ流くんには言ってないけどね」
「そ、それって」
「私、出演するよ。まだ、どうなるか分からないけど」
「でも……僕は……」
「私、腐った林檎にはなりたくないの。くすんだ林檎のままでもいたくない。赤く輝くことが出来るなら、磨いて輝きたい。無駄にはしたくないの」
「………そっか。千代がそう決めたなら、僕はもう何も言わない」
「ありがとう」
家に帰ると、私はママに連絡をした。
「ママ。私、頑張るから」