As sweet honey. ー蜂蜜のように甘いー
そのまま、夏休みになってしまった。
悠太とは、前よりは少し話すようになり始めたけど、まだ少し不自然だ。
今日は久々のオフなのだけど、なぜか呼び出されて圭くんの撮影現場に来ていた。
「千代ちゃんってさー、悠太のこと好きなの?」
「へ?」
休憩中の圭くんが、飲み物をすすりながらいった。
「どうなの?」
「……良くわからなくて」
「良くわからない?なにそれ」
「……」
「わからないってことはさ、好きじゃないんじゃないの?好きなら好きってわかるもんでしょ」
そういうものなのかな
「そうなのかな」
「あくまで、今の千代ちゃんはね。これからどうなるかわからないけどさ」
「今まで悠太とは幼馴染みとして接してきたし、可愛い弟みたいだなーって思ってきたから。少し戸惑ってる。私、どうしたらいいのかな」
「千代ちゃんのしたいようにすればいい。でも、それなら俺にもチャンスはあるってことだよね」
「チャンス?」
「んー、あとで話すよ。今はとりあえず撮影を優先しなくちゃねー」
「というか、どうして私を呼んだの?このことを話したかったの?」
「そ、確かめたかったんだよ。そんで、今の千代ちゃんの気持ちを聞いて決めたってわけ」
「何を______」
「よぉーし、残りの撮影頑張るぞー!」
圭くんは、私の言葉を遮るようにそう言って、撮影に戻って行った。
少しずつ、何かが変わってる。
そんな気がした。