As sweet honey. ー蜂蜜のように甘いー
圭くんの撮影が終わると、丁度お昼時になっていた。
「近くのレストラン入らない?」
「うん」
近くにあったレストランに入ると、昼食をとった。
「んま!」
圭くんは、注文したドリアに感動していた。
でも、夏だから少し暑そう……
まぁ、冷房効いてるけど
ちなみに私は、オムライスを頼んだ。
「………っはー、食った、食った!」
冷たい飲み物がのどを潤した。
それにしても、さっきから周りの視線が痛い。
私は別のそこまで有名じゃないだろうし、注目を浴びているのはやっぱり圭くんだろう。
あ、でも、これってまずいのかな。
「あー、千代ちゃん、分かってないでしょ~」
「ん?」
「千代ちゃん、ドラマ始まってから結構注目されてるんだよ。それに、宣伝のためにいろんなテレビの出てるでしょ?そのおかげで、多分周りにいる人はみんな千代ちゃんのこと知ってると思うよ」
「え」
「ほら、見てみなって。千代ちゃんのこと見てるよ」
そう言われて、少し周りを見回すと、圭くんが言った通り、私を見ている人がたくさんいた。
「ど、どうしよう……っ」
いろんな意味で!
「どうしようって、もうお店入った時点でアウトでしょ。変に誤魔化してもねぇ」
「お店、出よう?」
「そうだねー」
私達は、慌ててお店を出た。
人通りの少ない裏道をゆっくりと歩く。
「俺達のこと、カップルって思われたかもね」
「なっ、大丈夫なの!?」
「大丈夫でしょ」
圭くんは随分と軽くいう。
どうしてそこまで断言できるのかわからない。
「で、話なんだけどさ」
「うん」
「俺、千代ちゃんのこと好きなんだよね」
「うん……?」
え?
す、好き!?
しれっとした表情で、なんでもないかのように言った。
「あれ?伝わってる?」
「け、圭くん、からかうのはよくないよ!」
「からかってなんかないよ」
でも、圭くんって見た目も態度もチャラチャラしてるし、「からかってなんかない」なんて言って、きっと他の女の子達にも言ってるんだよ。
「……嘘だ。どうせ、他の女の子達にも言ってるんでしょう?」
「千代ちゃんって、俺が遊んでるように見えるの?」
「う、うん……」
「俺、遊びとかしてないよ。だって、千代ちゃんのことが好きなんだもん」
「本当?」
「本当だよ。一度も遊んだこととかないし。そう見えるのは、俺がわざとそういう素振りをしてるから」
「……」
「流に聞けばわかるよ。電話でもする?」
ここまで言うなんて、多分本当に遊んでなんかいないんだ。
じゃあ、本当に私の事が好きってこと!?
「信じる」
「そ、良かった」
「でも、私は……」
「自分の気持ちがわからない。つまり、今は誰も好きじゃない、でしょ?」
「……」
「わかってるよ。それなら、これから俺を好きになってもらえばいい話だから」
ニカッと白い歯を見せて笑った。
「覚悟、してね。絶対悠太には渡さないから。____勿論、他の人にも」