正しい紳士の愛し方
「実は俺もこういうのあまり得意じゃないんだ。駅前の焼き鳥屋とか会社の近くのラーメン屋とか海辺の大衆食堂とか……メシ食ってます!みたいな方が気楽で良かったり。
でも、女の子とデートでそれは駄目だろう……ってカッコ付けてみました」
大和さんははにかむように笑う。
普段からスーツをビシッと着こなし、お洒落なレストランやバーがお似合いの大和さん。
そんな彼の意外な一面。
すでにカッコイイのにカッコ付けたりするんだ……。
樹は発見してしまった大きな矛盾にプッと小さく噴き出して笑う。
「おいおい、そんなに笑わなくても……」
「ごめん……ごめんなさい。いや……違うの、これは私事なの……。アタシが勝手に思って、勝手に面白くて……大和さんが変なんじゃないの……」
言い訳しながらも笑いがおさまらない。
下を向き、お腹をおさえてクスクス笑う。
「なんだよ、それ……」
大和さんは少し拗ねたように言った。
「失礼いたします」
ちょうどそこへ出来たての料理が運ばれてくる。