エリート上司に翻弄されてます!
だから私は日高さんには話しかけてみたいと思うのかもしれない。
「岡山からって大変じゃないですか?」
「と言われても半年前から話は来てたから」
「最近来ました?」
「アンタに会った前日ぐらいに」
「ほ、本当に最近ですね」
それからさらっとあの日の話を蒸し返しましたね。
でもこの若さで転勤って大変だろうな。支店の若手の人は飛ばされやすいとは聞いていたけど。
日高さんが来てから乾先輩の真剣な表情を見ることが多くなった。
きっと岡山からの助っ人が来て、企画も佳境に入っているのだろう。
新しい商品を開発するのって大変なんだ。
私もいつかそういうのに参加してみたい。
と思ってもまだ2年のペーペーな私には無理か。
乾先輩や日高さんの歳になっても無理な気がする。
少しお酒が入っているからか、日高さんは珍しく自分の話を始めた。
「俺は本店に行くのを目標にしてたから良かったんだよ」
「そうなんですか?」
「こっちに来て、もっとメインの仕事をしたいって思ったから」
「……」
「アンタみたいな能天気に仕事してるやつとか違うんだよ」
そう言った日高さんは私の額を人差し指で押した。
油断をしていた為に私はその力でぐいーっと後ろへと体が反ってしまう。