エリート上司に翻弄されてます!
唯一同居のことを知っている日高さんには私が何で悩んでいるのか察しがついているらしい。
だからって彼は関係ないから巻き込むことはできない。
何か自然な方法で家に帰る手段はないのだろうか。
すると、
「時間あるんなら付き合って」
「……へ?」
「飲み足りないから、2軒目行くよ」
彼に言われた言葉に驚くとその黒い目で見つめられ、ふんと鼻を鳴らされた。
そしてそのまま私の返事を聞かずに歩き出す。
日高さんの言葉を信じられずにいると「うお!」と水川先輩の慌てた声が聞こえる。
「おい!タクシー乗るぐらい1人でしろ!」
「ん……」
彼の大きな声に少しだけ薄く目を開けた乾先輩。
乾先輩がタクシーに乗る直前、彼の目が私の方へと向けられた。
彼と目が合い、私はどうしていいか分からず軽く頭を下げる。
と、
「ねぇ、行くよ!」
「あ、はい!」
後ろから日高さんに声を掛けられて私は振り返ると彼のところまで走って行った。
今乾先輩何か言い掛けていたけど気のせいだよね。寝惚けていただけだろうし。
乾先輩が家で寝静まった頃に帰るのが1番いいかもしれない。