エリート上司に翻弄されてます!
「終電ある?」
「大丈夫です」
「あっそ、じゃあ」
日高さんは素っ気なくそう言うと私に背を向けて駅のホームへと歩き出す。
彼らしいなと思いながらも私はその背中に声を掛けた。
「ありがとうございました!また仕事で!」
彼はこちらを振り返って軽く礼をしてまた歩き出した。
岡山からこっちへ来るぐらい仕事熱心な人。憧れる。
それで彼はちゃんと結果を出しているのだから凄いと思う。
それだけ真剣だってことなんだ。
私も彼らのことをちゃんとサポートできるようになりたいな。
仕事への闘志を燃やしていると乾先輩の家に着いた。
中に誰かがいる様子もなく、水川先輩は乾先輩を送り終わったようだ。
きっと寝てるだろうから起こさないようにしないと。
私はゆっくりと鍵を差し込み、音を立てないように扉を開いた。
中に入ると私は「あれ?」と首を傾げる。
「先輩?」
リビングの電気が付いてる。
恐る恐る声を出すとリビングの方から音が聞こえ、そして誰かが廊下に姿を現した。
「先輩、起きてたんですか?」
暗かった廊下の電気を付けようと手を伸ばす。