エリート上司に翻弄されてます!
「こ、この前はありがとうございました。助かりました」
「……別に、アンタの為じゃないんだけど」
「そうですけど、お話も聞けて嬉しかったです」
「……」
日高さんは「あっそ」と漏らして手を頭へやった。
照れているのだろうか、と思ったが彼の厳しい表情を見て勘違いであったことに気が付く。
まぁ日高さんと一緒に飲みに行かなかったら乾先輩とああなることもなかったんだけど。
そう考えたら一気に複雑な気分になった。
「で、アンタこんなとこで何してんの?」
「え!?いや、私は……」
「何?」
乾先輩から逃げてるなんて言えない、と思っていた矢先、私の後ろに人の気配を感じた。
「綾瀬」
「っ!?」
その声に思わず飛び上がると私は日高さんの方へと駆け寄って後ろを振り返った。
私の行動に驚いた彼は隣に立つ私を見つめると次に目の前の人に視線を移す。
「乾さん」
「ん、日高おはよう」
乾先輩は何も変わらぬ笑顔を日高さんへと向ける。しかしその瞳の裏に何やら違う感情を抱いているのを私には分かった。
どうしよう、今日1番見たくなかったスリーショットだ。