エリート上司に翻弄されてます!
「何かあったんじゃないかなって。でもあそこまで怒る必要はなかったよな。ごめん」
「……」
違うって伝えたいのに、口が動かない。
私は想いが口にできずに、ただ下で掌を握っていた。
「もう1つは……勢いでキスしたこと」
「っ……」
覚えてた。あの時の光景がフラッシュバックして体が震える。
そんな私の様子を見たのか彼は慌てたように付け加える。
「あの時は色々可笑しくなってて、酒も入ってたし日高に嫉妬してたし、するつもりはなかったんだけど……」
「……はい」
はいってなんだ。どう返事をしていいか分からない。
ただこうしてずっと乾先輩に謝らせたままでいいのだろうか。私から何か言わないと。
何か……
「でも、言ったことは全部本当だから」
「え、」
「酔いの勢いだったとしても、深桜ちゃんに言ったことに偽りはないから」
それって、つまり……
私はその言葉に身体中が火照っていくのを感じた。
それはつまりあれは本当に告白だったということだ。
ということはやっぱり乾先輩は私のことを。