エリート上司に翻弄されてます!
ただ難があるとすれば、俺は日高のことも嫌いじゃないということだ。
「俺に好かれているということを光栄に思うがいい」
「いきなりそのモードに入るのやめてもらえますか」
「日高も段々俺に慣れてきたね」
「扱い方が分かってきたと言ってください」
ほら戻りますよ、と相変わらず堅物な日高に「おう」と返事をして部署へと戻る。
同じく企画に関わっているからか、最近ではよく一緒にいることが増えた。
元は岡山支部のエースだった日高はここでもその力を遺憾なく発揮している。
少しコミュニケーション能力が欠けているとは思うが口が悪いだけで性格はいいやつだ。
だから困るのかもしれない。
「あ、俺寄っていってもいいですか」
そう言って日高は口元に手を寄せるサインをする。
ふと深桜ちゃんから匂うはずのなかった煙草の匂いを思い出す。
「駄目だ、駄目だ駄目だ!煙草なんて体に悪いだろ」
「いや、乾さん関係ないでしょ」
「後輩の健康が気になるんだよ。ほら、俺って後輩思いだからさ」
「だからって介入してきていいところと悪いところがあります」
「あと、」
深桜ちゃんにそんな匂い付けないでよ。
「嫌いなんだよ、その匂い」