エリート上司に翻弄されてます!
それに、乾先輩と一つ屋根の下なんて……
「な、何でそこまでして私のこと泊めたいんですか?」
「後輩が困ってるときは助けたいじゃん」
「いや、でも普通そこまでしますかね?」
「綾瀬は俺の可愛い後輩だから特別なんだよ。それに俺は心が広すぎてそういう綾瀬のこと放っておけないの。ここで断ったら俺は綾瀬のことを泊まらせられなかったことについてこれからも後悔し続けるだろうな」
「え、えー」
「そんな俺の未来を救ってくれ!綾瀬!」
何言ってるんだろうこの人、よくそんな言葉がスラスラと口から出てくるわ。
私が呆れた目で見つめていると彼は「正直なこと言うとさ」とお味噌汁を啜った。
「お金は要らないからさ、家の家事とかして欲しいんだよね」
「え?でも先輩部屋の掃除とかも料理も自分でしてるんですよね?」
「そうなんだけど最近色々と仕事忙しくてさ、来月からは新しい企画も進行させなきゃいけないし、やってる暇ないんだよね」
確かに普段はこんなおちゃらけた人だけど仕事になると真剣で、部署でも重宝されている存在である。
それに今日もあの時帰ってきたと言っていたし、ずっと会社で仕事していたのだろう。
今の乾先輩を助けることはもしかしたら会社を助けることと繋がっているのかもしれない。
「綾瀬がいてくれるだけでいいからさ」
「っ……」
一瞬勘違いしそうになる言葉を言われたと思ったら直後に「それにこの美しい俺と暮らせるなんて幸せだろ?」といつも通りの乾先輩に戻ってがっかりした。