エリート上司に翻弄されてます!
「あぁそうだ!綾瀬はこの部署でも俺と争うほどの清純派だからな。まだ決着がついていない故、今の彼女の危害を与えるのはやめてもらいたい。否、勝つのは俺だがな!」
「……」
日高は俺へと冷めた目を向けると感情がこもっていない声で「そうっすね」と返した。
日高が深桜ちゃんのことをどう思っているかなんて知らないが、警戒しておくことに越したことはないだろう。
そもそも今問題はここじゃない。
深桜ちゃんをどうやって家に戻すかにある。
そう思ったらやはりあの場面では言うべきではなかった、
「そういえば」
喫煙室へと行かなかった代わりに日高は自動販売機で缶コーヒーを買う。
「最近アイツとなんかありました?」
「え?」
「この前から様子おかしくないですか」
日高が言うアイツは話の流れからして多分深桜ちゃんのことだろう。
気にしているのか、他のやつに興味なさそうな日高が。
「……何でもないよ、気にすんな」
「……」
「ちょっと綾瀬が反抗期なんだよ」
それで家出てんだよ、と他人事のように心の中で呟く。
そうしなきゃやってられなかった。