エリート上司に翻弄されてます!
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乾先輩と離れて暮らすようになってから数日。
そろそろ小牧の目線が鋭く突き刺さる。
そんなある日のことだった。
「じゃあ欠席は熱出してる乾だけだな」
課長の言葉にその場の雰囲気がざわついた。
乾先輩が熱?
「大丈夫かアイツ」
「珍しいですよ、ね?」
「あぁ、誰よりも健康に気を遣ってるやつだからな。でも最近寝不足気味だったみたいだし」
「……」
同期である彼の心配をする水川先輩に私は黙り込む。
寝不足、もしかして私が家に帰っていないことが原因だったりしないよね。
それに普段より忙しい仕事の疲れが加わったのだとしたら、
「まぁ乾がいないことで仕事が滞ることもあるかもしれないがよろしく頼む。日高にも世話を掛ける」
「はい」
部署で1番働く乾さんがいなくなったことでその最も仕事が忙しくなるのは日高さんだ。
私は彼の真面目な横顔を見つめながら胸に手を当てる。
乾先輩のことだから熱出したぐらいで何も出来なくなるわけじゃないし、むしろ心配する必要とかもないんだろうけど。
今私が考えるべきことは彼がいない今日、普段通りに仕事を上手く回すことだけだ。
ちゃんと仕事に集中しよう。