エリート上司に翻弄されてます!
「ちょ、先輩!?」
「……」
強い力で私のことを抱き締める乾先輩。
熱い体からその熱さが私に移る。
乾先輩に触れるとあの夜のことを思い出す。
私は慌てて彼の背中を激しく叩く。
「夢じゃないです!夢じゃないですってば先輩!」
とにかく早く起きさせないとこのままだと私の心臓が脈を打ち過ぎて逆に心配停止しそう。
起きろ!、と背中を叩いていると腕が彼の頭に当たり、ゴッと音が鳴った。
すると、
「痛い……」
腕の力が緩まり、彼が殴られた部分を摩りながら顔を上げる。
「あれ、深桜ちゃん?何で……」
しっかりと目を開いている彼は今度こそしっかりと意識も起きたようだった。
その隙に私が彼の腕から逃げるようにして離れるとその状況に「え、」と声を漏らす。
「せ、先輩、夢だと誤解してたんですよ……」
固まる彼の表情に「大丈夫ですか?」と語り掛ければ、彼は一気に顔を赤らめた。
彼がここまで顔を赤らめるのを見るのは初めてだった。
どうやら熱のせいではない様子。
私は逆にその顔に「え?」と声が漏れた。