エリート上司に翻弄されてます!



「ていうかさ」

「?」

「何でアンタ朝ビックリしてたの。乾さんが熱で休んでること知ってんでしょ」


私はその日高さんの言葉にあんぐりと口を開けた。
何に驚いたって日高さんのその台詞ではなく、彼が私のことを気にかけてくれていたということである。

乾先輩=私って結びつけて見たのかもしれないけど。

ちょっと、と不機嫌そうな彼の声に我に返ると私は目をキョロキョロと動かした。

「え、えっと……ですね」

「何?」

「……今、私家出てて」


そう言うと彼は暫くした後、「ふーん」と興味無さそうに声を漏らした。


「何で?」

「え、いや、別に……」

「……まぁ、俺に関係ないけど」


じゃあ乾さんによろしく、と言うと彼は両手を着ていたコートのポケットに突っ込んでその場から去っていった。
彼がエレベーターホールに着くまでを見送ると私はドアを閉めて鍵を掛ける。

確かに日高さんには何も関係ないけど、ちょっとくらい気に掛けてくれたって。
今日ここに来てくれただけでもまだマシだと思った方がよろしいのだろうか。

私は首を傾げながらリビングに戻ろうとして私はピタッと止まる。


「(いやいや!何を部屋に戻ろうとしてるんだ私!小牧のところに帰るんでしょうが!)」



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