エリート上司に翻弄されてます!




「っ……」


胸がきつく締め付けられるのを感じた。
何だろう、この気持ち。モヤモヤする。

私は目の前の女性と乾先輩の笑顔から目が離せなくなった。




彼女の名前は向井桐乃さん。
坂下工場さんの社員さんで乾先輩と同じ歳だということまでは風の噂で聞いた。

美人な彼女のことは会社でも直ぐに広まり、ちょっとした話題になった。


「普通に同級生とか」


勿論この部署でも話題に上がっている。
宮根さんは書類をまとめながらそう呟く。

仕事で坂下工場の社員さんが打ち合わせなどで会社で来ることが多くなり、予算会議などにも参加することが増えてきた。
その度乾先輩がその桐乃さんという人と一緒にいるところを見かけることもよくある風景となる。

話している2人の姿はやはり会ったばかりの男女の様子とは異なり、何処かお互いを親しんでいる関係に思える。
そんな2人の関係が何かと探るのが今の部署で流行りとなっていたのだ。


「高校のとかね」

「それなら最近だからまだありえますよね」

「……」


同級生……なのかな。それならまだ安心かな。
いやいや、何に安心してるの私は。




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