エリート上司に翻弄されてます!
ただ、乾先輩が自分のハーレム以外の女性とあんなに仲良くしてるの初めて見るから。
それにどう考えても桐乃さんは彼のハーレムにいるような女性じゃない。
まるで白百合のような可憐な人。
2人で並んでいると美男美女でまるで1つの絵画のようだった。
絵になるってこういうことを言うんだろうな。
普通ならずっと見ていたいような2人のはずなのに、何故か私の心はそれを拒絶している。
あれから乾先輩と家にいても会話がないし。
会社でも居づらくなってしまった。
「私ちょっと資料取ってきますね」
そう言って輪の中から抜けると部署を出た。
いつも通りに戻っているはずなのに、私の気持ちは全然前と一緒じゃない。
やっぱり1度壊れてしまったものはもう元には戻らないの?
「(我儘だよなぁ……)」
好きじゃない癖に乾先輩の気持ちはそのままでいてほしいとか。
いつ、彼が私のこと好きじゃなくなる日が絶対来る。
それが今でもおかしくない。何も、おかしくない。
だから、ちゃんと覚悟しておかないと駄目だ。
「綾瀬?」
その声にハッとすると顔を上げる。
すると目の前に白い壁が迫っていた。
声を掛けられなかったらぶつかっていた。
「大丈夫か?」