エリート上司に翻弄されてます!









私は脱衣所の扉を開けると鏡の前に立っている人物に話し掛ける。


「先輩いい加減にしてください。どんだけここにいるんですか。ご飯冷めますよ」

「何だと?体をケアをするのは美を保つ身として当然だろ」

「アンタもう自分の顔見てるだけだろ」

「体の調子を見るのもケアとして大事だ」

「(この人頭がおかしい)」


鏡の前でポージングを決めるこの男を痛い目で見つめると脱衣所のドアを閉めてリビングへ戻る。
もう風邪引いてもしらないんだから。

乾先輩はこうなると本当にしつこい。
一緒に暮らし始めて分かったのはこの人が筋金入りのナルシストだということ。

いや、一緒に働いていて分かってたんだけどそれを痛感させられたというか。

しばらくするとようやく乾先輩がリビングに戻ってきた。
上下お揃いの黒のスウェットに身を包む彼はタオルを肩に掛け、髪の毛は未だ濡れたままだった。

妙に色っぽくて毎回のことだがドキッとしてしまう。


「お腹空いた」

「だから早くしてって」

「だって鏡に映る俺があまりにも美しかったから見惚れてしまった」


なんじゃそりゃ、と呆れていると彼が「よいしょ」と私の向かいに腰を下ろす。
そして食事に目を移すとニッコリと微笑んだ。


「すっげー美味しそう」



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