エリート上司に翻弄されてます!
だからその笑顔は狡いって。
「べ、別に普通ですよ。早く食べてください」
「早く準備して早く食べてって、相変わらず深桜ちゃんはせっかちだな」
「……」
「いただきまーす」
お箸を持つ手もいつもハンドクリームを塗りたくっているからか綺麗で見惚れる。だがそれだけだ。
彼はハンバーグを口に含むと顔を綻ばせた。
「深桜ちゃんまた上手くなったなー」
「そうですか?」
「俺を思って作っているから、かな」
「それだったら下手くそになってるはずですけどね」
冷たいなー、ともぐもぐ口を動かす彼に私は不貞腐れながら、料理のこと褒められたのに素直になることが出来なかった自分を反省した。
あとやっぱり深桜ちゃんって名前で呼ばれると何だかこそばい。
ほ、本当に顔だけはいいからね。顔だけは!
「あ、明日は何食べたいですか?」
「リクエスト聞いてくれんの?珍しいね」
「そんなことないですよ、予定がないからで」
「んー、じゃあグラタンがいい」
じゃあ帰る時間言ってくださいね、と言えば「オッケー」と親指を立てた。