エリート上司に翻弄されてます!
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風呂から上がると目を疑う景色が広がっていた。
「深桜ちゃん?」
深桜ちゃんが俺のジャケットを抱きしめたままソファーで眠りこけていた。
髪の毛をタオルで拭きながら近付くとその寝顔を覗き込む。
心地よい寝息を立たせていた。
やはり完全に眠っているようだ。
「(やっぱり疲れてたのか……)」
最近、彼女が仕事の合間にボーッとしているのをよく見る。
何か失敗をやらかすのではないかと心配だったのだが、そこは彼女の仕事魂で何とか乗り切っていた。
だけど真面目な彼女にしたらやはり珍しいと思う。
ちゃんと夜、眠れてるのかな。
あれから彼女との距離が上手く掴めなくなった。
どこまで聞いていいのか、どこまで突っ込んでいいのか。好きだという前は平然とやっていたことが全く感覚を思い出せないのだ。
俺がこんなんじゃ、深桜ちゃんが戸惑うだろう。
ただ、側にいてもらいたいだけなのに。
それにしても、
「(この状況……)」
何で深桜ちゃんは俺のジャケットを抱いたまま寝ちゃってるんだろうか。
俺、何かを試されてるのか。
このままここにいたら本当に深桜ちゃんが風邪を引いてしまう。
俺は彼女が抱きしめているそれを引っ張るが強い力で抱きしめているからか、ピンっと筋を張った。