エリート上司に翻弄されてます!



と、


「あの、」


その声に足を止める。
声がした方を向くと今1番会いたくなかったと思っていた人がいた。


「桐乃さん?」

「あれ、下の名前?」

「あ、えっと……む、向井さん」

「いいのいいの、綾瀬さんだよね?」

「……はい」


桐乃さんはいつもの作業服じゃなくて普段着の姿だった。
やはりこういう格好をしたら魅力が増すというか、ただの美人じゃなくてとてつもない美人であることが分かる。

私は前に素っ気なく接してしまったことを思い出して顔を下に下げる。


「きょ、今日も打ち合わせですか」

「そうなの、それで良かったらなんだけど食堂の場所教えて欲しくて」

「あ、あぁ、それなら……」


そうだよね、別に乾先輩に会いに来ているわけじゃないし、彼がいない日にだって会社に来るときだってある。
食堂への行き方を説明し終えると彼女が「そういえば」と、


「恵剛くんの後輩さんだったよね。彼大丈夫?」

「え?」



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