エリート上司に翻弄されてます!
私たちはラーメン屋を出ると駅の方に向かって歩く。
「あ、私ドラッグストアに寄りますね!シャンプー買わなきゃ!」
「家出てたんじゃないの?」
「あ……戻ったんですよ、結局」
「……」
何か色々あんのね、と彼は呆れたように言った。
多分自分のことを好きだという人の家に帰るという謎の行動をした私に呆れてるんだろうな。
家を出たり戻ったり、何がしたいんだろ。
「じゃ、俺は帰るから」
「……はい」
相変わらず去り際はあっさりとしている日高さん。
私といるのあんまり好きそうじゃない。
そりゃそうか、いつも愚痴ばっかり聞いてもらってるし。
駅へと向かう彼の背中を見つめながら今日の終わりを感じる。
もう9時前か、そろそろ乾先輩も帰ってくるかな。
家に私がいないと驚くかもしれない。
そう思い急いで帰ろうとドラッグストアへと足を進めようとした。
すると視界の隅っこに見慣れた顔の人がいるのが見えた。
「(嘘だ……)」
だって今は飲み会に行ってるはず。
だからこんなところにいるはずはないのに。
どうして、乾先輩が……
立ち止まった私に向こうは気がついていないようでスマホの画面を凝視していた。
もしかしてもう終わって今から帰るところなのかもしれない。
声を掛けたほうがいいのかな。
でも外で話しかけるのも少し不安なところがある。