エリート上司に翻弄されてます!
勘違いしないようにしていたのに、それでもやっぱり勘違いしていた。
乾先輩がずっと私のことを好きでいるはずがない。
私より魅力的な人が現れたらそっちに惹かれることだって……
「(馬鹿だ……)」
私は大馬鹿だ。今更気が付いてどうするんだ。
私は、彼に好きと言われて嬉しかったんだ。
会社でも人気があってイケメンで優しい彼に好かれて優越感に浸っていたんだ。
そんな彼に特別優しくされて、同居までさせてもらって、何処かでそれが普通だって思っていた。
だから急に好きだと言われて戸惑って返事が出来なくなった。
私が好きだったのは私を好きな彼じゃなくて先輩の彼だったから。
なのに彼が他の人を好きになるのを許せないんだ。
そんな私が私は許せない。
私が好きなのは、私だ。
自分が傷つくのが嫌なんだ。
こんな風に胸が苦しくなるのが嫌なんだ。
「日高さん!」
帰ろうとしているその背中を見つけると声に出して叫んだ。
振り返った彼は私を見るなり怪訝な顔をする。
そんな彼の腕を取ると、
「奢ります!」
「……は?」
全てをぶちまけてしまいたい。