エリート上司に翻弄されてます!
それより、と小牧が口を開いた瞬間、騒がしい食堂に更に騒がしい声が響いた。
その声に驚くと視界に女性社員のグループが入ってくる。
と、その真ん中にいる乾先輩。
相変わらずの人気ですね。
「もはや宗教ですな」
「皆惑わされてるんだよあの顔に」
「恋人が出来たらそうでもなくなるのかも」
「……」
乾先輩に恋人、か。全然意識したことなかったな。
「俺は俺を思う皆のものだからな!」
とか言いそうだし、ていうか実際言ってるし。
もし出来たとしても私があの家にいられなくなるから困るだけなんだけどな。
席に付いた乾先輩を囲むようにファンの女の子たちが集まっている。
そんな状況を眺めていると小牧がそんな私に「あのさ、」と、
「深桜が乾先輩と同居してるってバレたら確実にファンに殺されるよね」
「ですよね!」
絶対言わないでね!一緒の部署で働いているということだけでも周りから妬まれるというのに!
そう言うと彼女は手を横に振って「分かった分かった」と私のことを落ち着かせた。
「取り敢えず金曜日のことよろしくね。乾先輩にもちゃんと言っておくのよ」
「はーい」
私はそう返事すると乾先輩から目を離した。