エリート上司に翻弄されてます!
日高のことを起こしてやって、とだけ言い残すと彼はバスを降りて行ってしまった。
周りを見渡せば乗っているのは私たち2人だけだった。
いや、寝すぎでしょ。何で着いたことに気が付かなかったんだろう。
それに私は何故彼の言葉に傷付いているんだろう。
私はハッと我に返ると隣に寝ている日高さんのことを起こした。
それからひとまず今日泊まる予定の旅館にお邪魔し、荷物を片付けた。
私は荷物が少なかったため直ぐ片付いたがあんな大荷物を抱えていた乾先輩が心配になった。
いや、乾先輩というかその同室の人が。確か水川先輩だったっけ。
旅行先まで乾先輩のお世話を見なきゃいけないなんて大変だな。
夕方頃、再びバスに乗り合わせ港へ着くとクルージングディナーへ。
豪華だとは聞いていたがその船の大きさに誰もが驚いた。
「こ、これ、本当に貸し切りなんですか?」
「うちの会社も太っ腹だよね」
しかも夕食は立食だと聞くじゃないか。これ現実の世界に帰ってこられなくなりそう。
隣で飲む気満々の宮根さん。この人の側にいるのはやめておこう。
「飲んで盛り上がるのはいいけど船から落ちるのだけはやめてくださいー」
そんな言葉が飛び交う中、船は出航した。
船に乗ることが初めてだった私は外の風景を眺めながら声を挙げていた。
「夜になるともっと綺麗だよ。神戸の夜景は有名だからね」
「水川先輩」
「ほら、綾瀬もご飯食べよう。直ぐ無くなっちゃうよ」
「そ、そうですね」