エリート上司に翻弄されてます!
自分の強さを過信していた。
今更後悔してももう遅いのに……
「あれ、綾瀬何してんの?今から花火上がるらしいから見に行こうよ」
お手洗いから出てくると両頬を赤くした宮根さんとすれ違った。
彼女の右手にはシャンパンが注がれたグラス。
「はい、見に行きます」
「元気ない?」
「ちょっと船に酔ったかもしれません」
「えー、大丈夫?ゆっくり来なよ?先行っとくから!」
彼女は私の背中をさするとデッキの方へと去って行った。
乾先輩、まだデッキの上にいるのかな。
さっきのこと謝らないと。何でもないって言わないと誤解されちゃう。
そうしないと彼に心配かけてしまうから。
それでちゃんともう1度話を聞こう。
このままハッキリしないでいるとまた思い悩んじゃうから。
受け入れられるようにならなきゃ。
と、その時。
「っ……」
デッキ部分へ出る瞬間、私の目の前に大きな花火が広がった。
花火が上がるってさっき宮根さんが言ってたけど、まさかこんなに距離が近いなんて。
次々に上がっていく花火を眺めつつデッキへ上がると乾先輩が先程の場所に立っているのが見えた。
私は意を決するとそんな彼へと近付いた。