エリート上司に翻弄されてます!
服を整頓していると最後に手に取ったものを見て私は動きを止めた。
乾先輩に買ってもらったワンピース。2着もある。
結局あんまり着たことなかったな……
「……」
きっと、帰った後だともっと着れなくなる。
「先輩、寝室は終わりました」
「ん、こっちも大体終わっ」
た、とこちらを向いた乾先輩の表情が固まる。
赤いニットのワンピースに身を包んだ私は少し顔を背けた。
「あ、ありがとうございます。休日なのに手伝ってもらっちゃって」
「いや……」
「あとフライパンはいただいていきます」
「あ、うん。構わないけど」
キッチンへと向かおうとした私を引き止めた乾先輩は下から上へと視線を動かした。
そしてふっと表情を緩める。
「やっぱりそれ、深桜ちゃんに似合ってんね」
「っ……」
流石俺、と得意げに鼻を高くする彼。
私はそれを聞きながらぎゅっとワンピースを掴んでいた。