エリート上司に翻弄されてます!










それから数日が経った。
たまに帰る方向を間違えて乾先輩のマンションに行ってしまうこともあったけど、何とかこの新しい生活には慣れてきている。

乾先輩との関係も気まずさがなくなり、以前のように話せるようになった。
仕事も通常に戻り、平和な日々が続いている。


「それで来週から乾には岡山の方へと出張に行ってもらう。来週分の仕事を見直しておいてくれ」

「皆寂しい思いするかもしれないけど我慢してね」


そう朝礼でウインクをかました乾先輩に周りから大ブーイングが飛ぶ。
相変わらず部署外には人気あるけど部署内だと彼の敵しかいない。

でも岡山に出張か。


「(岡山って元々日高さんがいたところだよね)」


そう思い視界の隅にいた彼に視線を寄せる。
岡山に何の用事があるんだろう。


「もうー、皆ってばそんなに寂しいの?」

「今から行け!そんで帰ってくんな!」

「どんだけおめでたい頭してんだ」


散々な言われようなのに彼はそれを物ともせず、「これも俺が生まれてしまった罪だな」と訳が分からないことを口にしていた。
確かに彼が言う通り、こんなキャラの濃い人が何日がいなくなったら恋しくはなるかもしれない。

日常は元に戻った。家も元の家に戻れた。
彼との関係も元どおりだ。

あとは私の気持ちだけ。




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