エリート上司に翻弄されてます!
そんなことより、
「あ、あの日高さんって」
「何?」
「……」
乾先輩とのことを聞こうとして言い留まったのは先程の水川先輩の話が頭を過ぎったから。
それに引っ越しまでしたのにまだ乾先輩を気にしてるなんて思われたくなかった。
「な、にもないです……すみませんでした」
「……」
それにこんなの、本社に来たいって言ってた日高さんに言うようなことじゃない。
彼だって念願叶ってこっちの所属になれたんだ。
だけど乾先輩と入れ替わりと聞いて彼がいなくなるのが嫌だと言ってしまったら、まるで日高さんを岡山へと追いやってしまうみたいに。
そういうわけじゃない、わけじゃないけど。
「(側にいれるだけで満足って思ってた私への罰なのかもしれない)」
動揺を隠せないまま資料室へと入ると頼まれていた資料を取ろうと手を伸ばした。
しかし震えた手で取ってしまったからか、その隣にあったファイルも地面に落ちてしまい、大きな音がなった。
私はしゃがんでそれを拾い集める。
未だに頭の中は乾先輩の移動のことで支配されていた。
こんなに気持ちが揺れ動いている状態で仕事なんて……
と、
「暴れてんの誰だー?」