エリート上司に翻弄されてます!
資料室の奥から聞こえてきた声に咄嗟に顔を上げると棚の隣から顔を出してきたのは私の頭の中を支配している乾先輩だった。
まさかここで会うとは思ってはいなかったので身動きが取れなくなった。
「あれ、綾瀬じゃん。あーあー、落としてんの」
彼は私が落としたファイルを拾うと「拾ってやったぜ」と私に手渡した。
すると、
「……どうした?凄い汗だな」
「っ……」
「熱でもあんのか?」
大丈夫かと顔を覗き込まれ、私は思わず立ち上がる。
そんな私を不思議そうに見つめる彼は距離を詰めると、
「気分が悪いのか?それとも何かに悩んでる?言って」
「……あ」
「綾瀬?」
ファイルを握る手に手汗が溜まる。
私はそれを胸へと掻き抱いた。
そして、
「岡山に移動するって、本当ですか?」
「……誰が?」
「先輩、が」