エリート上司に翻弄されてます!
ブーブーとテーブルに置いたスマホが震える。
私はパソコンに向かいながらそれを取ると直様謝罪の言葉を吐き出した。
「小牧ごめん〜」
『アンタ今何時だとっ……』
時刻はもう8時を過ぎようとしている。
早めに出て小牧と2人で店へと出ようとしていたのに急に残業を押し付けられて定時に帰れなくなってしまった。
周りの人が次々と退社する中、私は必死に仕事を進めていた。
『もうすぐ始まるよ!?』
「わ、分かってるんだけど終わらなくて」
『はぁ、取り敢えず先に始めてるからね?来れるようになったら連絡頂戴』
「う、うん……」
そう言って無残にも断たれた通話に胸が締め付けられる。
小牧には先にお店に行ってもらうように言ったけどこれはこれで寂しい。
だけど仕事が終わらないのは私のせいでもあるし、一刻でも早く終わらせなきゃいけない。
「(何でこんな時に仕事任されるんだろう……)」
いつだって私はタイミングが悪い。
いざというときに上手くいかないんだ。
運が悪いというのか何なのか、自分は幸が薄い女なのかもしれない。
来年でアラサーになるが自分が結婚して幸せな家庭を築いている姿を想像できなくて涙が出てきそうだ。
「泣いている暇なんてない!今はこれを終わらさないと!」