エリート上司に翻弄されてます!



そう彼女は私の意図を読み取るかのように答えてくれた。
綾瀬さんにも沢山お世話になったね、と言われて首を横に振る。


「わ、私は何も……」

「そんなことないよ、いつも恵剛くんが自慢してたし」

「え?」

「この書類は綾瀬さんがまとめてくれたって、他の人だと言わないくせに綾瀬さんの話はよくするの」


そんなの、知らない。
頭を下げた私に「あれ、知らなかった?」と言った桐乃さんに頷く。

乾先輩、他の人のところでそんなこと話してたんだ。
でもそれを桐乃さんはどう思って聞いていたんだろう。

そう思うと申し訳なく、顔を上げることができない。

だけど彼がそう言って私の話をしていてくれたことや、私が作った資料だと知って使っていてくれたことを知ると胸が温かくなる。
あぁ、この人のさりげないところ好きだなって思う。


「岡山に行ったら彼にも伝えなきゃね」


あぁ、もう……

自分の気持ちを黙っておけない。


「あ、あのっ……」


私、と声を紡ごうとしたその時、


「ママ!」




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