エリート上司に翻弄されてます!
全部繋がった。
あの電話の相手は桐乃さんじゃなかったんだ。
なのに私は勝手に嫉妬して、そして勘違いして、それで彼を傷付けた。
最低だ、私。何も知らなかった。
知ろうともしないで、自分勝手に決めつけて。
「綾瀬さん?」
「私っ……」
私のこと好きでいてくれた。
ただそれだけが嬉しかった。
それを伝えればいいだけだった。
私の変な憶測で遠回りしてしまったから、彼も私のことが分からなくなったんだ。
彼の気持ちを知ろうとして、いつも自分の気持ちは口にしていなかったから。
「私、先輩に謝らないといけません」
全てが声で伝わるかは分からないけど、声に出さないと分からない。
何でも言葉にしなきゃ分からない。
今まだ間に合うのなら、この気持ちを伝えるから。
拙い言葉だけど伝えるから。
それがどんな結果になろうと後悔しないから。
「(好きです……)」
その一言が、それを伝えるのがどんなに大変なのか。
今なら分かる。
ただそれだけでよかった。