エリート上司に翻弄されてます!
煙草に火を点けるとゆっくりと息を吐く。
すると煙が空へと舞い上がるのが見えた。
「会社休んでくるもんかね」
屋上のベンチで1人いじけたように呟く乾さんは俺から顔を背けていた。
「乾さんちゃんと仕事してました?」
「してたよ!お前が来る前はすっごいしてたんだからな!」
「……」
「何だよその目!本当だよ!」
やっと帰れるって感極まってるわ!、と叫ぶ彼に黙って欲しいと思う。
でも確かに岡山の報告を聞いている限り、今回の彼の出張によって支店に活気が付いたという効果はあった。
勿論それには彼の仕事力が多く関わっていると思うが、先ほどの光景を見る限り女性陣はただイケメンが来て舞い上がっているだけだと思う。
この人はハーレムを作るのか、それともハーレムが勝手に作られるのか。
「で、何?俺のこと迎えに来てくれたの?」
「別に、俺はただこっちに残ってることをやろうと思っただけで勝手に帰るんで」
「そこは一緒に帰ろうよ」
一緒に帰ったら隣で五月蝿くされるの分かり切ってるだろ。
彼を見つめていると「俺のこと嫌い?」と涙声で訴えてきた。
勿論今言ったことが1番の理由であるがもう1つはこの男がいたからでもある。
俺はこの男に言いたいことがあってやってきた。
どうしても向こうじゃ言えないことだ。