エリート上司に翻弄されてます!




「……」


彼は「そういう問題じゃねぇだろ」と落ち着きを取り戻すと再びベンチへ腰を下ろした。
俺とったら綾瀬なんかよりもこっちの男の方が分かりやすい。

いつでも顔に出ている気がする。
アイツが気になるって。

どうして本人たちには分からないのか、それが俺には理解出来ない。


「アイツのミスで俺に迷惑が掛かるのもこれ以上耐えられないし、アンタの相談に乗るのも懲り懲り」

「……」

「ハッキリさせてもらいません?」


そう告げると彼の表情が変わる。
俺のことを敵だと認識したようだ。

乾さんは普段じゃ聞けないような低い声を出す。


「お前も関係ないのにズケズケと踏み込んでくるよな」


ここまで表情を歪めたのは初めてかもしれない。


「お前こそ何も知らないだろ。俺と深桜ちゃんの間に何があったかなんて」

「……」

「俺はもう全部伝えてるんだよ。後は彼女の返事だけだ。だから今の俺には出来ることは何もない」


だからって周りからの声を耳にも入れないなんていうのは違う。
そのせいで今会社はこの男が岡山に移動するという噂で一杯なのだから。




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