エリート上司に翻弄されてます!
ウザくして仕方ないじゃん、と溜息を吐く彼。
確かに隣に彼がいたんじゃたまらないだろうけど。
「乾さんは今日会社寄らないからアンタが会いに行かなきゃ会えないよ」
「……でも仕事が」
「俺がやる」
「ど、どうしたんですか?」
彼は私が持っていたファイルを奪うように受け取った。
まるで日高さんが私と乾先輩のことを応援しているみたいに思える。
相談に乗ってくれたことはあったけど、応援してくれているのは初めてだったから。
「どうしたって、別に気分だよ。ほら、あの人が乗ってる電車ね」
「……会いに行ったって」
「ついでだから、支社の方に用事があっただけ」
勘違いしないでよね、と言う彼からメモを受け取ると私は胸が締め付けられた。
会いたいとは思っていた。けれど何度も連絡を無視させた私が会っても話を聞いてもらえるかは分からない。
電話だけじゃなく、実際に会った時にも無視されたらどうしていいか分からない。
日高さんが折角こうして会う場を作ってくれたのに……
「どうしてここまでしてくれるんですか?私迷惑かけてばっかりなのに」
「だからでしょ、早くくっ付いて仕事に集中して」
「く、くっつくって……そんな上手くいくなんてどこにそんな証拠があるんですか?」
手の中でもらったメモがくしゃくしゃになる。