エリート上司に翻弄されてます!
もう直ぐだ、もうすぐで彼が乗っている電車が着くはず。
私は駅のホームの前で彼の帰りを待っている。
その片手にはスマホを握りしめていた。
日高さんは資料室でこの留守番を聞いたから私に行けって言ってくれたのかな。
それとも彼に会った時に何か話したりしたのかな。
明日の朝なんて、乾先輩は狡い。
こんなの聞いたら明日の朝まで待てるはずがない。
今すぐにでも彼に会いたくなってしまう。
ただ彼の側にいられるだけでよかった。
その気持ちは彼も一緒だった。
私だって彼が作ったご飯を美味しそうに食べてくれるのが嬉しかったし、私にだけ甘えた姿を見せてくれるのも特別なんだって優越感を感じていた。
休日の日に一緒に出かけたことや、ラーメンを食べに行ったこと、思い出したら止まらないくらい楽しいことが沢山あった。
その中で密かに幸せを感じていた私はそれを壊すのを怖がって、彼との関係を進展させるなんて考えられなくて、今思えばなんて贅沢だったんだろうって思う。
でも今はハッキリと言える。彼とそれ以上の関係になりたいって。
乾先輩の彼女になりたいって。
楽しいことや嬉しいことを共有して、彼が疲れていたら満足するまで慰めてあげて、それで美味しいご飯を一緒に作って食べたり、たまには彼のナルシストぶりに呆れたり。
それだけでいい、それだけで幸せ。
私はゆっくりと足を進める。
今でも私のどこを好きなのか分からないけど、こんな自信のない私だけど、それでも受け入れてくれますか?
こんな私でもいいって言ってくれますか?
「先輩!」