エリート上司に翻弄されてます!
















遮られることなく部屋に注がれた日の光に私は瞼を開く。
すると目の前に広がっていたのは彼の胸板だった。


「起きた?」


そう人差し指で私の頰を撫でた乾先輩はずっと前から起きていたようで、軽く体を起こしたまま私の寝起きの顔を見つめている。
そして私が数回瞬きをすると彼は嬉しそうに微笑むのだった。


「起きて1番初めに拝めるのが俺という幸せを噛み締めるんだな?」


彼のそんな普段通りのナルシスト発言を耳にしながら、私は起きたての頭で何とか意味を理解する。
そしてクスクスと声を出して笑うと、


「そうですね、幸せです」


と素直に自分の気持ちを吐いた。
私が素直に言うと思っていなかったので不意を突かれたのか、彼は目を見開くとまたどんどんと顔を赤らめていく。

この人意外と直ぐに照れるなーと思いながらもそんな彼が可笑しくて笑っていると「おい、笑うな」と彼が焦ったように口走る。


「ったく、全然格好つかないな、深桜ちゃんの前だと」

「ふふ」


それぐらいが丁度いいですよ、と私が言うと拗ねた彼が私の唇にキスを落とした。


幸せだなぁ。




< 334 / 343 >

この作品をシェア

pagetop